別に『1日1冊読まねばならぬ』などという決まりは無いが、(太宰の)『お伽草子』+αを読了。

日記
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金曜日の施設の雰囲気は、なんとなく刑務所で懲役刑に服している囚人ライクな。知らんけど(挨拶)。

と、いうわけで、フジカワです。今日の終業後、無性ぉーに『ドトールのエスプレッソ』が飲みたかったので、駅前の店に飛び込んで、期待値を上げまくって飲んでみたら、あんまり大したことがなかった金曜日、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて。今週完走です。あと5営業日働けば、「一応の」ゴールではあるものの、冷静に考えれば、単なる給水ポイントです。再三再四申しております通り、今月いっぱいで辞めるわけじゃないですしね。

で、タイトルの話なんですが、当分続くよ太宰行脚。今日は、『お伽草子』を読了しました。一言で言えば、『昔話補完計画 by 太宰』。あるいは『だざいおさむしょうせつ 日本むかしばなし』でしょうか?

題材になるのは、

  1. こぶとり爺さん
  2. 浦島太郎
  3. かちかち山
  4. 舌切り雀

要は、『昔話の登場人物に(出自や境遇等の)ディテールを与えて、よりドラマチックに仕立てたもの』です。

これを『太宰ならでは!』と言っていいのかは、まだちょっと僕には判断が付かないんですが、「そう肉付けするか!」とうなるものばかり。

まず、「こぶとり爺さん」ですが、いわゆるところの『正直爺さん』は、飲んべえの楽天家で、自分のこぶを嫌うどころか、むしろ『孫』として見ていて、大切にしている。ので、鬼に気に入られて『また面白い舞を見せに来い』という『約束の担保』としてこぶを取られ、逆に哀しむんですよ。

で、他方の『意地悪爺さん』の方は、意地悪どころか、正直爺さんよりも学があって真面目で、自分のこぶが嫌い。鬼達の前でも超真面目な舞を披露した結果、逆に全然ウケなくて逃げられ、「せめてこぶを取ってくれ」という哀願を誤解され、正直爺さんのものだったこぶを「返す」と付けられてしまう。要は「性格の差異から来る悲劇」に仕立てたわけで、うめえよなあ、と。

浦島太郎も、太郎のキャラ設定からして『地方の名家のボンボンで、いっぱしの風流人気取り』という、ともすれば嫌悪感を覚えるようなもの。なんせ、亀の背中に乗るためだけにも、クドクドと理屈っぽい。

すげえリアリストの亀と丁々発止したあげくに竜宮城へ行くわけですが、この辺(乙姫と、そのもてなし方など)の解釈と描写は、まず一般的じゃない。そこがいい。

ラストは玉手箱を開けて300歳の老人になるのは同じにしても、一般的には「バッドエンド」と捉えられてるのを、「果たして本当にそうか?」とひっくり返してるのも、ある意味爽快。

その次に、「かちかち山」。こりゃあやっぱり、少なくとも僕が今まで何作か太宰を読んできて、一番「らしい」と思いました。

なんせ、ウサギを「16歳の処女」に見立て、タヌキを「ウサギに一方的に好意を寄せる、37歳の汚ぇブサメン」に設定している。んで、ギリシャ神話のアルテミスになぞらえて、「処女の残虐性」を、ウサギを通して遺憾なく見せつける。

ラストの変わりようはないんですが、ちょっと普遍的な含蓄で締め。ただの解釈違いの昔話だと、いつ言った? って話です。

舌切り雀も面白い。まず、『お爺さん』が、正確にはお爺さんじゃない。そんなに歳は食ってないけど、世捨て人のような生活をしていて、リアルに老いているとは言ってない。

んで、ほぼ成りゆき上、彼の世話を焼いている『お婆さん』(こちらも、便宜上そう書かれているのみ)が、日頃「感謝」をちっとも表さない『お爺さん』に、不満たらたらなわけですよ。

そこへ、若い娘の声(助けた雀)の声がしたもんですから、お婆さんは嫉妬して、雀の舌を抜くわけで。後はお爺さんが雀のお宿へ行くわけですが、彼は超淡泊。なんと、お土産のつづらを持って帰らない。ただ、助けた雀のかんざしだけを手にする。

そのかんざしを見て、さらに嫉妬するお婆さん。自分も雀のお宿へ行ってみたはいいものの……と、ラストはやけに切なかったです。

「ふう」と一息つき、じゃあ次は? と思って、Kindleのレコメンドを見ると、『小説の面白さ』というタイトルがあったので、それを。こっちは、ごく短い(4ページ!)エッセイでした。

内容は、「小説家が小説を愚弄する」という、文豪でなければ許されないであろう内容。もし、似た内容でも、今のご時世Twitterでにも投稿すれば、炎上間違いなしです。

「もしかしなくても、太宰って、すンッ……げぇひねくれ者だったんじゃ?」

と、思わざるを得ませんでした。多分間違ってないはず。

さあ次は? と思ったんですが、週末ですし、まとまった時間も取れるので、自分の原稿かな? とか思ってます。インプットも大事ですけど、やけ食いの如くやっても、疲れますし。

まずは今晩は、よく寝ることですね。「眠剤マシマシで!」と言いたいところなんですが、薬はキッチリ2週間分しか処方されていないですし、ヘタに濫用すると、後が怖すぎます。精神薬ってのは、そういうもんです。

んじゃまた。

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